保坂和志twitterより
時間は直線的に進むとは限らない。ボルヘスの想像力の源泉のひとつは、「時間は円環である」ということだった。(円環をなす時間概念はかつて人類に広く行き渡っていた。)
時間が円環なら出来事は繰り返す。
起こることはすべて起こったことである。
あるいは、進む先には過去が待ち受けている。
小説を書くときに必要なのは、世界観、あるいは作者固有の「世界の感触」「世界への強いこだわり」「世界に向き合う態度」の提示で、読者の共感や興味はそこに由来する。
小説が書けないという人は、題材となる出来事を追うばかりで、自分にリアルである「世界の感触」や自分自身の「世界へのこだわり」が何かを考えていないのではないか。